どうも。現役大学職員の佐々木です。
今回は、国立大学法人等職員の採用倍率についてお話しします。その中で、記念受験についても触れていきます。
その前に、少しだけ自己紹介をさせていただきます。
私は大学卒業後某銀行に入行しました。数年間働いていくなかで精神的に追い込まれ、公務員になることを決心します。1年間独学で勉強の末、地方上級・市役所・国立大学法人の3機関にストレート合格を果たしました。
そんな私は現在大学職員として勤務して数年が立とうとしています。この記事では、これまで知りえた情報等を余すことなく書いていこうと思います。
大学職員の採用倍率は?記念受験はどれくらいいるの?

受験生の気になることの一つが、これではないでしょうか。
当日試験会場に行くと、必ずと言っていいほどテンパります。採用予定者は少ないのに、受験する人がかなり多いから。
しかし安心してください。国立大学を受験する人のうち、ほとんどの人が、国立大学が第一志望ではありません。
そして、教養のみの試験だということで、あまり勉強していない人が「受かったらラッキー♪」程度で受験する人も多くいます。
国立大学法人等職員採用試験は、採用予定数は少ないものの、第一志望の受験者がかなり少ないので、辞退者が多くいるわけです。
もはや、国立大学は本気で受験する人にとっては受かりやすい、穴場の試験だということが言えます。
2018年度 筆記試験倍率
筆記試験の倍率は、地区によって大きく異なります。
地区名 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 |
北海道 | 1,249 | 477 | 2.6 |
東北 | 2,183 | 538 | 4.0 |
関東甲信越 | 9,949 | 1,369 | 7.3 |
東海・北陸 | 3,279 | 1,307 | 2.5 |
近畿 | 4,052 | 742 | 5.5 |
中国・四国 | 2,702 | 1,129 | 2.4 |
九州 | 5,263 | 1,478 | 3.5 |
こうして見ると、地区ごとで全然違います。
注目すべきは、2018年度の倍率が、2017年度と比べて大幅に低くなっている地区があるということ。
例えば九州地区でいうと、2018年度の倍率が3.5倍に対し、2017年度の倍率は6.4倍。
2018年の筆記試験通過者がかなり増えていて、通過基準がいきなり緩くなったということが分かります。
これは、筆記試験でふるいをかける採用試験ではなく、面接を重視した試験にシフトしてきているといえます。
受験について言うと、日程が合えば複数の地区を受けても構いません。
地区ごとの難易度を3段階で表すならば、
◊難易度3
関東甲信越地区、近畿地区
◊難易度2
東北地区、九州地区
◊難易度1
北海道地区、東海・北陸地区、中国・四国地区
となります。
難易度が高くなればなるほど、筆記試験で高得点を取る必要が出てきます。激戦区の関東甲信越地区は噂によると、7~8割がボーダーとも言われているので、なかなか手強い試験ですね。
2019年度 筆記試験倍率は?
それでは2019年度、筆記試験の倍率はどのくらいだったのでしょうか。
地区名 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 |
北海道 | 1,221 | 480 | 2.5 |
東北 | 1,914 | 555 | 3.4 |
関東甲信越 | 8,998 | 1,401 | 6.4 |
東海・北陸 | 3,241 | 1,131 | 2.9 |
近畿 | 3,330 | 731 | 4.6 |
中国・四国 | 2,612 | 1,069 | 2.4 |
九州 | 5,240 | 1,301 | 4.0 |
※事務系のみ。
どの地区にも当てはまることですが、毎年受験者数が減少しています。しかし、東海・北陸地区と九州地区については去年よりも合格者が減っているので、倍率が少し上がっています。
関東甲信越地区、そして近畿地区は毎年のことながら激戦区でしたね…筆記試験は教養試験のみですが、対策はしっかりやっておきましょう。
ただ今後は定年退職する職員の数も増えていくので、自動的に採用人数も増えると予想しています。
今後大学職員になりたい人には嬉しい話ですね!
記念受験って実際どれくらいいるの?

記念受験について知っておくと、少し気持ちに余裕を持って試験に挑むことができます。
公務員試験や国立大学法人等職員採用試験の場合、受験料を払う必要がないので、日程が重ならない限り多くの試験を受けることが出来ます。
・国立大学はかつて文部科学省の機関(国家公務員)であった
・今でも国時代のような仕事が続いていること
・公務が多くみなし公務員と呼ばれている
・日程がほかの官公庁や自治体と被らない
上記のような理由で、公務員志望者の大多数は、国立大学法人等職員を併願しています。
集団面接でいろんな人の話を聞いていると、9~10割は併願だと分かります。
面接で、「いえ、貴校だけです!」と言うと逆に怪しまれますね(笑)
「へぇ~、大学のどこがいいの?」
「じゃあうちの大学は◯◯だけど…についてどう思う?」
とか、かなり突っ込まれてしまいます。
面接では正直に「他の官公庁も受験しています(受験予定です)」と答えても全然大丈夫です。
話を戻します。
記念受験が多い理由としてもう一つ、公務員予備校でも、必ず国立大学法人等職員を受験するように言われています。
私が採用になったあとで同期や先輩方といろんな話をしていくと、100%が公務員試験との併願でした。
しかしなぜ大学職員になったのか。
一番多い理由が「志望自治体に落ちたから」。そして次に多いのが「早くに内定をもらったから」です。
もう皆さんお分かりかと思いますが、国立大学法人等職員を受験する人が、シンプルに国立大だけを専願していることはほとんどありません。
受験申込みをしても、実際に受ける人は8~9割。会場に行ってみると、空席が多いことにびっくりします。
筆記に合格しても、説明会に参加する人は合格者の方の8~9割。
さらに、1次面接、2次面接に進む途中でも、かなりの辞退者が出ていますので、筆記試験を合格すれば、実際の面接倍率はかなり低くなります。
まとめ
国立大学法人等職員採用試験の倍率を見て、
いやいや、受かるわけない!!!
と思う人も多いと思いますが、実際の倍率は(筆記試験を突破したあとは)そこまで高くはありません。
記念受験者や、試しに受ける人、第一志望は別にある併願者が大多数を占めています。
これを読んで安心して、自信を持って受験していただければ幸いです。